「集客」の基礎は、オーケストラで学んだ

女性向け商品・サービスの売上アップをお手伝いしているグローアップマーケティング代表の谷本理恵子です。

一般的に「ライターの世界は女性が多い」と思われていることが多く、事実、雑誌やコラムのライターさんは、ほとんどが女性なのですが…

こと、セールスライターだけは、非常に女性が少ないということを、ご存知でしたか?

セールスライターという職種自体、まだまだ知られていないという理由もあるのでしょうが、それにしても、どうしてこんなにも女性が少ないのか。

私自身、いろいろな女性とお話する中で感じるのは、最大の理由は「売ること」に対して、罪悪感を感じたり、嫌悪感を感じたりする女性が、多いせいではないかということです。

売ることに対するマインドブロック

売り込み、押し売り、迷惑行為…そんなイメージから「売ること= 悪いこと」という信念が生まれ、自分自身はそんな「悪いこと」をしたくない、つまり「売りたくない」。とにかく「売る」という行為に、抵抗感がある。

そんなマインドブロックがかかっている人は、非常に多いのですが、では、一方で、どうして「売ることが楽しい」と思う人がいるのでしょうか?

よく言われるのは、「道端に倒れている人」を「助けることができる道具」をもっていながら、見過ごすことはできないのと同じように…

その人の未来にとって、買うことが幸せにつながると確信するなら、必ず売らなければならない。困っている人を放置すれば、詐欺まがいの悪い商品・サービスに引っかかる可能性もあるのだから、むしろ、売る義務と、責任があるはずだ、という考え方です。

つまり、「売ること=問題解決=人助け」というマインドにになっているなら、躊躇なく、積極的に売ることができる、というだけのことですが、このマインドの違いはとても大きなことです。

実際、このマインドがないなら、セールスライティングをする上でも、本心から書くことができませんから、言葉に力が宿りません。

そして、私にとって、この「売ること=善」というマインドができあがった原点は、おそらく大学時代のクラブ活動にあるのではないかと、つい最近、思い至りました。

交響楽団とセールスの意外な関係

大学の4年間、私は、初心者からでも入ることができるアマチュアオーケストラで、ヴァイオリンを弾いて過ごしました。もともと、ピアノを習っていて、中学時代は吹奏楽部だったので、ある意味、自然な流れです。

たいていの大学の交響楽団は、毎年2回夏と冬に、自分たちで企画してコンサートを行います。

ということは…

必然的に、毎回どうにか大量のチケットを売りさばいて、まずは、ホール代や客演指揮者の費用などをすべて支払い「黒字にしなければいけない」

さらに、できるだけ多くの人を集めて「大ホールを満席にしなければならない」ということになります。

そして、毎年2回も同じようなことを、代々やり続けていれば、次第に集客の方法も、洗練されていくわけです。

「上手くいった方法」があれば、確実に次の演奏会の集客に引き継がれ、どんどん効率のよい形に磨きぬかれていくうちに…

ついに、誰でも、大規模イベントに集客ができるだけのマニュアルが完備されていました。

それは何も特別なものではなく、たとえば近隣のお店に「ポスター」を貼らせてもらうための方法だったり、何十年も前に卒業したOBにチケットを買ってもらう方法だったり、ほぼ自動的にメンバー全員を巻き込んで集客に参加させる方法だったりするのですが、当然ながら、このノウハウがあるとないとでは、集客に大きな違いが出ます。

OBの先輩には、電話をする

演奏会が近づくと、交響楽団に所属している全メンバーに、電話のトークスクリプトと、数名分のOBの電話番号が手渡されます。

期日までに、それぞれが電話をして「チケットと交換という形での寄付」をお願いすることになっており、パートごとに進捗管理がされています。

つまり、電話の話し方としては、大変たどたどしいのですが…あっという間に、かなり組織だった電話営業部隊ができあがるわけです。

新入生として、はじめてやった時は、ドキドキしましたが、OBの方も電話がかかってくるのに慣れているので「あー、もうそんな時期か」と言って、たいてい何枚かは買ってくれるものです。

そして、演奏会当日も、誘い合わせて、会場に来てくれることにもなります。

近隣のお店は、ポスターを持って回る

もちろん、大学近隣で、前回の演奏会のポスターを貼らせていただいたお店はリスト化されており、今回も頼みに行きます。パンフレットに広告提供してくださる会社も同じように依頼します。チラシも置いてもらえるようにお願いしてまわりますし、その近くにお店があったなら、ついでに飛び込みでの新規営業も行います。

やったことのない人にとっては、ハードルが高く思えるようですが、実際に頼んでみると、結構、快く置いてもらえるものです。

小さなお店ほど、意思決定権者である店主に近いため、すぐにその場で返答をもらえます。

地道に勝る集客方法なし

そんな風に、1件ずつ回ったり、電話したりする方法は、とても地道な人海戦術ですが、アマチュアオーケストラなら、どこでもやっている方法なので、私は、このやり方に疑問に思ったことがありませんでした。

つまり、可能性のあるところに電話したり、頼みに行ったりするのは、ごく当たり前のことだと思っていたので、「当然するでしょ?」と自然と考えるようになっていたわけです。

諸事情があって、大学オーケストラの集客の時には、必要最低限の参加しかできなかった気はしますが、それでも集客の基本的な発想は叩きこまれていたようで… 

大学卒業後、女性団体に所属して、やはり大ホールをいっぱいにしなければならない規模のイベントをする際などに、ご近所の方へチラシを配ったり、チラシを置いてもらえる場所を開拓するのも、私自身は、まったく苦にはなりませんでした。

それどころか…

広報・宣伝は善!

「どこで、どんな風に誘ったら、お客さんが来てくれるんだろう…」そればかりを考え、みんなでアイデアを持ち寄っては頭をひねり、思いつくかぎりの行動で人を集めることは、とても楽しかったのです。

オーケストラのメンバーが「自分たちの演奏をたくさんの人に聞いて欲しい」と思っていたのと同じように、私は「この講演会を1人でも多くの人に知らせたい、それで、もっと豊かに楽しく生きられる人が増えれば嬉しい」と思っていました。
ですから、とにかく必要な人に、この情報を届けたいと思ってやっていたんです。

今思えば、そのマインドこそが、「集客」の基本。

「お誘いする」ことや「売る」ことは、人のためになる「良い行為」で、それで人生変わる人がいると思えることこそが、すべての行動の原動力になります。

まさか、大学時代のクラブ活動で、そんなセールスマインドが身についていたとは…人生、なにが起こるかわからないものです。

集客は、難しくありません

そんなわけで私は、無駄に「集客」を難しくしている原因は、発想が硬直化しているところにあると思っています。

人を呼ぶために、何ができるのか。
そして、そのために必要なことは、すべてやる!

その決意があれば、もっと真剣に集客に向かい合うことができるはずです。

今手元にある商品やサービスを伝えることで、本当に人生が変わってしまうだろう「未来のお客様」に出会えるように、本気になって考えるはずです。

そして、そのために必要だというなら、どんなことでもサラリとすることができれば、結果が違ってくるのは、当然ですよね。

つまり、そんな王道のやり方を極めるつもりさえあるなら、「集客」は、決して難しくはない。
単に、商品やサービスからではなく、とにかく「お客様目線」で考え続けることができればいいだけなのです。

大学生のクラブ活動でも、できるのです。
断られる前から諦めないで、必要な人に届くように考え、しっかりと「売り」ましょう。

それこそが、本当の意味で、世界を助け、豊かで楽しい未来を作ることにつながると、私は信じています。 

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