男性と女性では「現実」の認識が異なる。「問題解決」が女性に響かない理由とは。

マーケティングにおける訴求の型として、お客様の抱えている問題やイヤな現実に目を向けさせ、解決手段となる商品・サービスを提案する手法をご存知の方も多いかもしれません。しかし、女性には問題解決型のアプローチが響きにくい場合があるのです。

ベストセラー『ネットで「女性」に売る』では、女性向け商品・サービスを「売るため」の文章とデザインノウハウを39の法則に分けて詳しく解説しています。この記事では、その3つ目の法則についてご紹介しましょう。

法則3:男性と女性では「現実」の認識が異なる

女性の多くは、痛みや悩みをはっきりと自覚していません。そのため「こんな悩みはありませんか」と訴えかけても、なかなか振り向いてもらえず、流されてしまいがちです。背景には、男性と女性で「現実」の認識が異なるという事情があります。

男性は現実を「正しい」と捉え、女性は何かが「おかしい」と感じる

「現実」に対する女性の認識をわかりやすく体現しているのがシンデレラの物語です。シンデレラの作中で一番のハイライトは、王子様から国中の女性全員に舞踏会の招待状が届いたにもかかわらず、意地悪な継母や義姉たちがシンデレラに家事を言いつけ、自分たちだけが舞踏会へ行ってしまう場面です。この時に主人公が男性だった場合と、女性だった場合の違いを想像してみてください。

たとえば、もしもシンデレラが男性だったらどうなるでしょうか。継母や義姉たちを許さず、いつかあいつらを倒して下克上してやる、とばかりに奮起していたのかもしれません。その後は主人公が力を蓄えて強くなり、仲間を集めてお城を乗っ取りに行く物語になっていたはずです。

ところが、女性が主人公であるシンデレラの物語はそうではありません。置き去りにされたシンデレラは、泣きながらも「おかしいな」「自分はなぜこんなことをしているのか」と感じていたのではないでしょうか。そこへ魔法使いが現れ、またたく間にきらきら輝く馬車やドレスを出してくれます。

そうして彼女は当然のような顔で出かけていき、後から遅刻して行ったにもかかわらず堂々と王子様と踊って帰ってきます。継母や義姉たちに虐げられていても、本来の自分はお城に行く権利があって当然だと心の底では思っているのです。

女性は現在の自分を仮の姿だと思っている

世の中の多くの女性は、現在の自分を「仮の姿」だと思っています。彼女たちは毎日のように「私がこんな顔をしているはずがないわ」とか「こんなに太っているはずがないわ」などと思っているわけです。そのため、鏡を見ても現実感がないし、むしろ絶世の美女にスルリと感情移入して「自分らしい」と思える方が多いのです。

たとえば、美容室やシャンプーの広告にしばしば金髪の白人女性が使われる理由も、女性たちがモデルに憧れているのではなく、ごく自然に「あれが私だ」と認識しているからなのです。

男性の多くは、広告のモデルがあまりにも自分と違いすぎると感情移入できません。たとえば、日本人男性をターゲットにした広告で筋骨隆々の白人男性モデルを起用しても、自分とはまるで別の存在だと思われてしまいがちです。

女性の場合は人種にかかわらず美しいモデルに感情移入して商品を買えるところが面白くもあり、男性たちにとっては理解しづらくもあるかもしれませんね。

女性には「痛み」に訴えかけるアプローチが響かない

男性たちと女性たちが生きている世界は一見同じにみえても、実際には現実の捉え方や自己認識が大きく違っており、パラレルワールドのようなものです。従って、商品やサービスの提案方法も当然変えるべきだといえます。

男性の場合は、痛みに訴えかけるアプローチが有効です。すなわち、今抱えている悩みが解消されなければ今後はさらに不幸になると言われ、痛みをえぐられると、大変だと感じて行動を促される方が多いのです。

そのため、男性がターゲットの場合、まずは抱えている痛みへの自覚を促し、問題解決の手段として商品・サービスを提案しましょう。弱かった勇者が武器をさずけられ、レベルアップしてどんどん敵を倒していくイメージです。

女性の場合は、自分が痛みを感じていることにあまり実感がありません。痛みは「仮の姿」のものであって根本的には自分ごととして捉えていないため、ストレートに問題を突き付けても「ちょっと気になっているかもしれないけど、悩んでいるというほどではないわ」といった感覚なのです。

だからこそ、女性たちに商品・サービスを見せるときは魔法でかぼちゃの馬車が出てくる瞬間をイメージしてください。女性たちにとって商品・サービスは問題解決の手段ではなく、「本来あるべき自分」を取り戻すためのきっかけなのです。

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男性と女性で「現実」の捉え方がどのように違っているか、ご理解いただけましたでしょうか。とはいえ、どうすれば物語の中の「魔法」を実際のビジネスに置き換えることができるかは、そう簡単にわかるものではありません。そもそも、これまでご説明してきた違いが本当にあるのかと疑っておられる方もいらっしゃるでしょう。

『ネットで「女性」に売る』の著者である谷本理恵子は、マーケティングの最前線とも言われる通販の運営責任者として、現場で多くの顧客と向き合い続けてきた人間です。独立後もプロの「セールスコピーライター」として、あらゆる女性向け商材の販促や商品企画などに、成果にこだわったアドバイスをさせていただいています。

多くのクライアント様と関わる中で「これを知らないまま進めばすぐ頭打ちになってしまう」という無駄な広告費や時間や手間を目の当たりにすることも多く、非常にもったいないと感じてきたからこそ、やみくもな試行錯誤や遠回りを回避していただくために、女性向けのマーケティングやセールスライティングの秘訣を動画付きの「無料メール講座」にまとめました。「どうすれば売り込まず、自然に売れるのか」に興味がありましたら、ぜひご登録いただければと思います。

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