アンケートには種類がある

今回の動画では、アンケートの種類について、ざっくりご説明しています。

世の中には、さまざまな種類のアンケートが存在するのですが、うっかり気づかないまま、「とりあえずアンケートを取ってみよう、お客様の声を集めよう」と漠然と実施してしまうと、残念ながら、欲しい回答が得られません。目的違えば、設問も違ってくるのは、当然ですよね。

今回は、便宜的に

  • 商品開発のためのアンケート
  • 改善のためのアンケート
  • 誘導のためのアンケート
  • 感想を聞くためのアンケート
  • 材料集めのためのアンケート

の5つに分けて、それぞれの特徴をざっくりお話しつつ、「売るための文章」を作るために必要なアンケートとの違いをご理解いただければと思っています。

1つ目「商品開発」をする際に使われるアンケート

 「誰向け」に「どういう商品」を作ればヒットするかを検討するために使われるもので、たとえば「この香りが好きか」とか「どれくらいの価格なら購入するか」といった設問が典型的です。

この手の市場調査の方法は、書籍やWEBサイトなどでもよく取り上げられているせいか、見様見真似でこのようなアンケートを作られる方が多くいらっしゃいます。けれど、「どんな商品を作るかを検討するフェーズで聞きたい項目」と「今ある商品をどうやって売っていくかを検討する時に聞きたい項目」は、まったく違います。そのため、そのような設問をベースに作られたアンケートで得られた答えは、セールスライティングの材料として使うには不適当です。「売るための文章」を書くにあたって必要となる答えがまったく得られていないからです。

2つ目「改善」のために使われるアンケート

良かったところや悪かったとこをを聞いて、今後の運営に活かしていこうという目的で作られるもので、普段の生活で、もっとも目にする機会が多いアンケートかと思います。

最近では、従来の「顧客満足度調査」の代わりに「NPS(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)」が使われるようになりましたが、いずれにせよ、あくまで品質改善に使うための調査なので、これらのアンケートで得られた声は、ライティングの材料にはなりません。

3つ目「誘導」のために使われるアンケート

アンケートの体裁を取ってはいますが、設問や選択肢をよく見ていただくと、たいへん誘導的に作られていて、アンケートに答える中で商品やサービスの良さが自然とわかるようになっているものを言います。たとえば、広告から、商品やサービスを販売するためのランディングページに飛ぶ前に、簡単なアンケートに答えるページを経由するものなどが典型的です。

つまり、アンケートという形式を採用してはいるものの、何らかの回答を得るために作られているのではなく、「読ませる」という点に主眼があるので、厳密な意味では、アンケートですらないのです。

どういうことかというと、「売るための文章」をあえて読みたいと思っている人はいませんから、そもそも読みはじめてもらうこと自体に高いハードルがあり、いかにそのハードルを超えてもらえるのかを工夫する必要があります。けれど、単に「アンケートに答えるだけ」であれば気軽に参加してもらいやすいですよね。かつ、回答するためには、設問や選択肢をすべて読まなくてはいけませんので、うまく使うことができれば、「読まない」という最初の大きなハードルを簡単に突破できるばかりか、当初はまったく興味がなかった人を、自然と「これは自分に必要なものかもしれない、これまでと違って新しくて面白いかもしれない」という気持ちに誘導し、商品やサービスに関心をもってもらうことが可能になります。

そういう意味で、非常に興味深い手法ではあるのですが、もともと回答を得るために作られているものではありませんので、こういった心理誘導のためのアンケートの設問を、ライティングの材料収集の目的に使うことはできません。

4つ目「感想」を聞くためのアンケート

ごく単純に、お客様の声を聞くために使われるもので、良い感想も悪い感想も書くことができるようになっているものを言います。当たり前の形式なので、悪くないと思われるかもしれませんが、「ライティングの材料」として欲しいのは、あくまで「良い感想」の方だけです。「ここがダメでした、ここはもうちょっとこうだったらいいのに」といった話は不要なばかりか、売れる文章を書く際に、悪影響を及ぼしかねません。また、単ぶ感想を聞くだけでは、ライティングに本当に必要な内容が含まれていないことが多く、肝心の情報が得られないことが多々あります。

5つ目「材料集め」のためのアンケート

セールスコピーライティングで重要なのは、この「材料集め」のためのアンケートです。
たとえば「A41枚アンケート」で知られている設問などが典型的ですが、あらかじめ知りたい情報があり、それを聞くような設問を作る形になります。

つまり、どういう経緯で知ったのかがわかれば、どこに広告を打つかがわかるといったように、知る前にはどうしていたのか、知ってすぐ決断したのか、どこで迷ったか、他にも似た商品がたくさんあるにも関わらずなぜこれに決めたのかなど、購入の意思決定の瞬間に関わる情報が得られるように作るということです。

また、「売れる文章」を作るには、どのような言葉を使えば、未来のお客様に響くのか刺さるのかを知ることが重要になります。「聞いたら意味はわかるけれど、自分が話す時に使わない」言葉には、ぐっと心を動かす強いパワーがありません。そのため、お客様たちが普段使っている言葉、お客様の頭の中にすでにある言葉を使って語りかける必要があります。

だからこそ、できるだけ選択式のアンケートではなく、自由記述欄が多いアンケートにすることで、「お客様自身が普段使っている言葉」で、商品やサービスの良さを語っていただくことが重要なのです。

そもそも、選択式のアンケートは、選択肢を作るのが非常に難しいという意味でも、注意が必要です。価値観が多様化した今、すべての可能性を網羅した選択肢を用意するのは、至難の業。たとえば「未婚・既婚」という選択肢だけでは「離婚した人はどちらを選ぶのか?」という混乱が生じますので、データの正確性にも疑問が生じます。そもそも何を聞きたくてその設問を入れているのかというところから、注意深く検討していただきたいところです。

何より、ライティングのための「言葉」が欲しいという本来の目的から考えれば、売り手が使っている言葉で書かれた選択肢を選ばせること自体に、意味がありません。

ちなみに、オンラインサロン「プリンセス・マーケティング実践ラボ」には、上手なアンケートの事例や設問例なども随時掲載していますが、以上のことに気をつけていただくだけでも、世の中のアンケートの見え方が違ってくるのではないかなと思いますので、よかったら参考にしてみてくださいね。

P.S.
You Tubeでは、女性ターゲット集客のコツや売れる文章を書く秘訣など、さまざまな話をさせていただいています。高評価・チャンネル登録なども、ぜひ。

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